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SNSの功罪、熊本地震

良く「SNSの功罪」と云う言葉を聞く事がありますが、熊本地震で実際にそんな経験をしました。

「功」つまり「光」の側面はやはり、支援物資でしょう。
熊本地震では発災後一週間も経たないうちに全国からペットたちへの支援物資が届きました。
フード、水、衛生用品が次々と届きました。
それは本当に被災地の「光」であり、勇気を貰いました。
支援が震源地益城町に集中していて、違う地域で仔猫たちのミルクが足りないとの情報が入り、その事をHUGで発信すると、その二日後にはその地域に大量のミルクが全国から届き、そこに温かいメッセージが添えられていたのを見て心から感動した事を今でもはっきりと覚えています。

でも「罪」つまり「闇」の側面もありました。
県外の動物愛護団体が「同行避難出来る避難所一覧」と云う記事をSNSに投稿しました。
同行避難出来る避難所と云う表現自体も間違いですが、彼らが言いたかったのは飼い主とペットが一緒に避難所内に入れる避難所と云う意味でした。
見た人たちも同じような誤解をし、その記事が拡散されてしまいました。
もちろん拡散した人たちは悪気があった訳ではなく、善意で拡散したのでしょう。

それで起きた事は?

一覧に名前を出された避難所責任者の方に聞き取りをしました。

「記事が拡散されて起きた事は、全国の動物愛護の人たちからのひっきりなしの問い合わせの電話と入所希望者からの問い合わせでした。当時避難所では同行避難して来たペットが少なかったからこそ、工夫して飼い主とペットが一緒に避難所内で暮らせる様にしていたんです。それ以上の受け入れ体制を作る事は難しい状況でした。結局新たにペットと避難して来た被災者がいなかったので、そのままでしたが、もし多くの人たちがペット連れで避難して来た場合はペットの避難所内への受け入れ自体を見直さなければいけなかったかも知れませんでした。何よりも被災後間もない時期に全国からの多くの問い合わせは本当に業務の支障になりました。」

現場の状況をしっかりと見る事もなく、SNSで拡散されたいい加減な情報。

それによって最悪の場合は、どうにかペットと一緒に避難所内にいた飼い主たちが行き場を失っていたかも知れなかったのです。

「SNSの功罪」

平常時もそうですが、災害時は特に「地元の信頼出来る発信元」を知る事が大切です。